•    佐野造園工法

 

1.池造成の基礎の躰体一発打設工法

下記の手順で作業を行う事で工期の短縮につながります。
①基礎堀削
②基礎砕石地業工
③均しコンクリート打設
④基礎と躰体部分の鉄筋加工組立
⑤吊り型枠加工取付
⑥基礎と躰体コンクリート一発打設

この工法は今でこそ一般的に見られる工法であるが、開発した当初は大学工学部の研究室がこの工法を参考にすべく写真撮影するなど当時話題となったものである。それまでの工法で造成した池は基礎と躰体のコンクリートを別々に打設するため、継ぎ目の部分から水漏れがしたり、ゴミが溜まりやすいものであったが、吊り型枠を設置して基礎と躰体のコンクリート打設を同時に行う工法により基礎と躰体を一体化させ、これらの欠点を解消した。
また、この工法では従来の2回の打設を同時に行うので、コンクリートの養生時間も1回分減って工期の短縮にもつながっている。

2.池造成の2重底工法 

北海道のような寒冷地の池は冬に10~15cmの氷が張るので池に魚を飼う場合、池の深さは1.5m必要であるが、氷雪のない時期は子供が転落する危険があったり、池底を泳ぐ魚を鑑賞することができなくなるなどの問題点があった。これに対処するため、腐食防止の亜鉛メッキをした金網を水面から30cmほど下に張り、魚を網の上で泳がせることによって危険防止とともに魚を鑑賞することも十分可能になった。この施工を行った際には水中にコンクリートから出るアクを抑えるビニボン塗料を塗り、水中ポンプで上部にある滝の水を流すことで魚のために酵素を池に取り込む工夫をした。

3.タイヤチューブの樹木根巻き移植法Ⅰ 

庭園造成において移植工事は欠くことのできない工程で、これに割く時間も少なくない。従来の根巻きの方法はすべて縄を使用して根固めをしていたが、時間がかかり、土質や樹種によっては値崩れを起こしやすいなどの順調な施工を妨げる要因があったが、廃品であるタイヤチューブを根の側面に巻いてから縄を巻く方法を採ることにより、作業時間が従来の20%で済み、値崩れがなくなってしかも資材を大幅に節約できるなど大きな成果を挙げている。

4.タイヤチューブの樹木根巻き移植法Ⅱ 

前ページに示すようにタイヤチューブを螺旋状に切り、庭木の根の横巻きを利用している。昔から根巻きの方法の型は決まっていて、種類は上記に示すとおり三角巻き、角巻き、星巻き、菊巻きなどがある。樹種、移植方法、土壌などによってこれらを使い分けるが、同じ敷地内で移植をする場合は星巻き、クレーントラックによって樹木を移動する場合は菊巻きを使用する。